ここで私たちの身近にあるカフェインとホウ酸の安全性を比較してみます。
急性毒性LD50で比較すると、カフェインは200mg/kgでGHS区分は「区分3」、シンボルマークは になります。ホウ酸、ホウ砂はQ6で説明している通り3,200〜4,100mg/kgでGHS区分は「区分5」、シンボルマークは付きません。
生殖毒性についてカフェインはヒトにおける疫学的報告やマウスによる繁殖試験によって、ヒトに対する生殖毒性が疑われる為、GHS「区分1A」となったのに対し、ホウ酸はQ4で説明したようにGHS「区分1B」(カフェインより有害性が低い)となっています。シンボルマークは共に です。
一般的にカフェインは緑茶に30〜50mg、紅茶に47mg、コーヒーに62〜95mg(各235ml中)含まれています。毎日のように飲んでいる飲料に含まれているカフェインがホウ酸より有害性が高いことになりますが、紅茶や緑茶やコーヒーが禁止になったことはありません。
また、独立法人国立健康・栄養研究所のホームページには一般的な「食べ物」の危険情報が掲載されており、場合によっては体調に悪影響を及ぼすことなどが記載されています。
このように物質の安全性及び有害性はその摂取(暴露)量や使用方法によって大きく変わり、一般的な食べ物でも有害性があることになります。 |